【売れるしくみのコラム No.001】お客さまの声を聴く「質問」の力
ビジネスに限らず、プライベートにおいても聴く力の重要性は高まっている。
「聞く」と「聴く」の違いをご存知の方は多いだろう。
モデレーター、ファシリテーター、コーチなどは特に聴く力を意識している。
ある医師は5つのきき方をしているという。その5つとは「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「心」である。
⬛顧客のインサイト
商品を売る、商品を紹介する、新たな商品を開発するなどのマーケティング行為をする場合において、
ビジネスアイデアも大切であるが、その提案が顧客から求められるかどうか。
しっかりお客さまの声を聴く必要がある。
あるスーパーにおいてある女性が栄養ドリンクを購入したとしよう。
その栄養ドリンクは「スポーツ」「サラリーマン」「学生」が購入するものであったが、妊婦であった女性が購入したのである。
意外であったために調査を進めたところ、おなかの子供のためだという。
別の例として、60代以上になると健康志向が強くなり、あまり購入しなくなるカップヌードル。
しかし、調査すると多様な嗜好があり、健康は大事だが味もこだわりたいという本音がみえた。
そこで、スープにこだわったリッチ味の商品を開発、販売したところ、1000万食を超えるヒットとなった。
これらのインサイトは、通常のPOS情報などからは得られない。
⬛インサイトと質問
顧客の声は「言葉」というよりは「表情」「態度」から観察できる「インサイト(本音)」になる。
インサイトを引き出すには「質問力」が求められる。
「何故?」なのかを考え、顧客のインサイトを探求することで得ることができる。
質問には「オープンクエスチョン」と「クローズクエスチョン」がある。
答えの幅が広いオープンクエスチョンはある程度信頼関係ができた段階で使うのが望ましく、
答えが限定されるクローズクエスチョンは相手にコミットを求めるときなどに有効とされている。
いきなり「なぜ、その商品を買いましたか?」と聞いても、多くの顧客は答えられない。
ほとんどの場合、無意識のうちに購入の意思決定をしているためである。
「この商品を買ったのははじめてですか?」などYES/NOで答えられる質問からはじめ、
「どこで」「いつ」など特定しやすい内容の質問し、
「どのように気づいたか」「購入に至った理由」などを質問していく。
そうすることで映像として、購買や意思決定が物語りとして、再現されるのである。
質問する力は一朝一夕では身につかないが、オープンとクローズを意識するだけでも着実にスキルはアップする。
北林弘行
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