【売れるしくみのコラム No.41】いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている
コトラー氏、低迷する日本を語る「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」 (マーケジンより)
2013年6月に「コトラー・カンファレンス 2013」(主催:日本マーケティング協会、日本マーケティング学会、ネスレ日本株式会社)で来日したコトラー氏が低迷する対して苦言を呈した。
約6年が経過しようとしているが、現在はどうなっているか?
昨年2018年10月に開催されたWAF2018 OSAKAにおいても一橋大学大学院経営管理研究科の鷲田祐一教授が「デザイン経営の必要性」というテーマのなかで「良いものを作れば勝てる時代は終わった。」とおっしゃった。
正確にはわからないが、いいものをつくれば勝てる(売れる)という感覚は未だに根強いものがありそうだ。
こうした感覚のどこに問題があるのか。
さきほどのマーケジンの記事では
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「いいものをつくれば問題は解決する」という考え方はやめよう
コトラー氏は、「日本の会社は問題の解決策はいいものをつくること、それで勝てると言いがちですが、そうではありません。やはりカスタマーについて考えるべきです」と言う。企業が提供する商品・サービスは顧客の満足、喜びにつながるものでなければならない。ブランドをしっかり確立すること。目的が明確なマーケティングを行い、世界にどのような違いをもたらしたいのかをはっきりさせること。単にお金をかせぐだけでなく、人間の生活、喜びにどう貢献できるのかを考えること。より高い目的、視点が必要だと語った。
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としている。
いいものをつくることが顧客の満足、喜びにつながっていればよいが、そうでなければただの自己満足に終わってしまうということだろう。
もっとひどい場合は「せっかく、いいものをつくっているのに、なぜ顧客はわからないのだ」という筋違いの話になってしまう恐れもある。
ドラッガーも「企業の目的は顧客の創造にある」という。
顧客の喜びなくして、顧客の創造はない。
ときに、提供側は顧客の喜びが見えづらくなる。そのために、マーケターというものが存在している。
コトラー氏が日本にCMOがいないことを問題視していたが、現在もまだまだ少ないことには変わりはない。
イノベーションは技術革新ではなく、新価値創造であり価値革新である。
北林弘行
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