【売れるしくみのコラム No.016】買う顧客の心理プロセス
「顧客が商品をなぜ買うのか?」の研究の歴史は意外に浅く100年程度である。
はじめての購買行動モデルは、アメリカのE・K・ストロング氏が『Theories of Selling』という論文の中で発表した「AIDA(アイーダ)の法則」である。
AIDAとはアルファベットの頭文字を購買プロセスの順に並べたものである。
A・・・Attention(認知)
I・・・Interest (興味)
D・・・Desire (欲求)
A・・・Action (行動)
商品を知る認知の段階から、購買する行動の段階までをしてしている。
このモデルでは、1.商品を知る、2.商品に興味を持つ、3.商品が欲しくなる、4.商品を買う、の4段階があるとしている。
この同時期に発表された同じアメリカの経済学者ローランド・ホール氏によって提唱されたのが「AIDMA(アイドマ)の法則である。
A・・・Attention(認知)
I・・・Interest (興味)
D・・・Desire (欲求)
M・・・Memory (記憶)
A・・・Action (行動)
これは、日本でも広告代理店が商品の販売促進を提案する際にも使われた。
CMや広告を通じて商品を知り(A)、商品の特徴を訴えることで顧客の興味を引き(I)、商品が欲求を満たすことを納得させることで購買意欲を後押しし(D)、電話やダイレクトメールなどでフォローし記憶・想起させ(M)、商品を買うように働きかける(A)、という具合である。
顧客が商品を買うのはそれほど単純な行動ではなく、認知からはじまり、その認知方法としてCMや各種の広告があることが提案できる。
インターネット時代に入り、日本の電通が2005年に提唱・商標登録したAISAS(アイサス)が代表的なモデルとして知られている。
AISASでは、AIDMAの5つの行動プロセスからDesire(欲求)とMemory(記憶)がなくなり、かわりにSearch(検索)とShare(情報共有)が追加された。
インターネット購買によって、Desire(欲求)とMemory(記憶)のプロセスがSearch(検索)に短縮されている。すなわち、興味の後、検索をして、すぐに買うようになっているのである。
この背景には、①検索によって気になった情報をすぐに調べられるようになったこと、②ネット購買によって購入プロセスが簡単になったことがある。
さらに、ブログや電子メッセージなどによって、購買者自身がネット上に拡散するプロセスが重要視されるようになった。
スマートフォン時代になって、さらに購買行動は変化しており、様々な購買行動モデルが提唱されている。
多くのモデルで、「認知」と「行動」の段階がある。AIDAのときから「認知」が重要なプロセスとなっていることに着目したい。
そして、この2つはB2CにもB2Bにもあてはまるプロセスである。
北林弘行
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すごいですね、今となってはまるで当然のように納得できますけど、AISASもそうだし、最後のShareのウエイトが提唱段階と比べてもすごく重くなってきてますよね…
よっしーさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりです。よくもわるくも個人の発信力(影響力)が強くなっています。
と同時に、リスクや倫理的なことも含めて意識してネット活用することの重要度が増しています。
確かに、誰某が、買っているから、私も買うと言うのは、よく聞きますね。
金額によっては、AA、すなわち、衝動買いしてます。
アカギさん、コメントありがとうございます。
AAって、気づいたら買ってるというやつですね!
それは衝動買いというより情動買いに近いかもしれません^^